最近、高齢者による自動車運転中の事故が増えてきており、衆議院本会議で改正道路交通法が可決されました。
これは、高齢ドライバーの事故を防ぐために改正されたものです。75歳以上の高齢者が運転免許を更新する際の検査で「認知症の疑いがある」と判定された場合、医師の診断が義務づけられました。
高速道路での逆走224件のうちドライバーが認知症の疑いだと判断されたのはその約1割である27件であったそうです。
そのため、医師の診断書で認知症と判断されたり、診断書を提出しなかったりした場合は、免許の取り消しや停止となることがあります。
また、次の免許の更新までに認知症の症状が進む人もいるため、詳しい検査で「問題なし」とされた人でも、逆走や信号無視など認知症と疑われる18項目(※1)交通違反を起こした場合は臨時の検査を受けることになりますのでご注意ください。
もし、運転をされている方で、物忘れがきになる場合は、早めの来院をお勧めします。
また、ご家族の方で、「うちの両親は大丈夫かな?」と疑問がある場合も気軽にご相談ください。
- 「物忘れ」が気になったときに当クリニックで行う検査
-
- 神経内科専門医による問診、看護師による心理検査(MMSE・長谷川式認知症スケール等)
- MRI検査
- 脳の萎縮度を測定する「VSRAD検査」 >詳しくはこちら
- 血液検査
- 心電図や胸部レントゲンなど
- 18項目の違反行為(※1)
-
- 信号無視
- 通行が禁止されている道路を通行
- 歩道の通行や逆走など通行区分違反
- Uターン禁止の道路でのUターン
- 進路変更禁止を示す黄色の線を越えて進路変更
- 一時停止をせず踏切に立ち入り
- 交差点で徐行せずに右左折
- 直進レーンを通行中に右左折
- 徐行せずに環状交差点で右左折
- 優先道路を通行中の車両の進行を妨害
- 交差点で直進する対向車を妨害して右折
- 環状交差点内の車両の進行を妨害する
- 歩行者が横断歩道を通行中に一時停止せずに通行
- 横断歩道のない交差点で歩行者の通行を妨害
- 徐行しなければならない場所で徐行しない
- 一時停止をせずに交差点に進入
- 右左折する時に合図を出さない
- ハンドル操作を誤るなど安全運転義務に違反
速度違反や駐車違反は認知力の低下との関連が薄いため除外されています。